楽天家

お邪魔石


 
 「今日は、な~にして遊ぼうかな。天気がいいから、どこかに行きたいな。誰か僕を何処かに連れてってくれないかな」

 「誰かが何か言ってるようだけど、誰だろう」
 「私にも聞こえた」

 「ここですよ。ここ」

 「君は?石でしょ」

 「はい、石です。意思を持った石です。なんちゃって」

 「面白い事言う石だね」

 「それより、僕をどこかに連れてってよ。自分では動けないんだ」

 「連れてってやりたいけど、今日はだめ。だって、ほらデートの最中なんだから、石になんかかまってられないんだ。ごめんね」

 「そうね、そうね。僕よりもデートの方が大事だよね。僕は邪魔だよね。シュン」

 「そんなにすねないでくれよ。今度一人の時には何処かに連れてってやるからさ」

 「はいはい、期待しないで待ってますよ」

 「まだすねてら」

おばんです


 
  「おばんです。お隣さん、お醤油かしてくれないかしら。きらしちゃって」

 ちょっと太めのお母さんは腰をかがめて、お隣さんへ醤油をかりに。

 悪びれたりしませんよ。これが普通なんですから。

 昔はこんな姿、結構あったんですよ。

 ”遠い親戚より近くの他人”って言うでしょ。

鼻水


 
 「おい、石の坊主」

 「なんだい、木のおじちゃん」

 「鼻水が垂れてるぞ」

 「いけね。何時もお母さんに叱られてるんだ。ありがとう」

油断した石


 
 彼は、水に写る自分の姿を見て驚いています。
 
 「ちょっと油断していたら、いつの間にかこんな物が頭に埋まっているよ。まいったな~!」
 
 「ま、飾りと思えばいいか。ファッションね」
 
 なんて楽天的なんでしょう。

サイクリング石


 
 のんびり屋さんの石は、今日はサイクリングのようです。
 
 「さて、今日はどちら方面に行こうかな」
 
 「行き先も決めずに自転車にまたがったんですか?」
 
 「そうです。あてもなく自転車でさまようのをポタリングって言うんです。じゃ、行ってきます」
 
 右を向いてますよ。ちょっと前傾で。