お邪魔石


 
 「今日は、な~にして遊ぼうかな。天気がいいから、どこかに行きたいな。誰か僕を何処かに連れてってくれないかな」

 「誰かが何か言ってるようだけど、誰だろう」
 「私にも聞こえた」

 「ここですよ。ここ」

 「君は?石でしょ」

 「はい、石です。意思を持った石です。なんちゃって」

 「面白い事言う石だね」

 「それより、僕をどこかに連れてってよ。自分では動けないんだ」

 「連れてってやりたいけど、今日はだめ。だって、ほらデートの最中なんだから、石になんかかまってられないんだ。ごめんね」

 「そうね、そうね。僕よりもデートの方が大事だよね。僕は邪魔だよね。シュン」

 「そんなにすねないでくれよ。今度一人の時には何処かに連れてってやるからさ」

 「はいはい、期待しないで待ってますよ」

 「まだすねてら」

情けない石


 
 左下をみていますよ。
 
 
 あらあら、とんがり頭の石さん、そんなに情けない顔してどうしたんです?

 「今日は散々なんです。道に迷うわ、お財布は落とすわ。挙句の果てに溝に落ちてずぶぬれです」

 そりゃ災難ですね。でも、そんな日もありますって、明日はきっといい日になりますよ。

 「そんな日もありますって?あなたにもそんな日がありましたか?」

 ??・・いい・・・え。

 「でしょ、まったく情けない人間です」

 あああ、すっかりネガティブになっちゃって、だめですよ。前向きにならなくちゃ。

おばんです


 
  「おばんです。お隣さん、お醤油かしてくれないかしら。きらしちゃって」

 ちょっと太めのお母さんは腰をかがめて、お隣さんへ醤油をかりに。

 悪びれたりしませんよ。これが普通なんですから。

 昔はこんな姿、結構あったんですよ。

 ”遠い親戚より近くの他人”って言うでしょ。

ボールペンも立つ


 
 今回はちょっと趣向が違います。
 
 どうして、ボールペンが石に対抗意識を燃やしたのでしょう。定かではありません。

 しかし、ボールペンも石の上に立ちました。このドヤ顔の表情が判りますか?

 石には無い一本筋の通ったキリッとした立ち居振る舞いがボールペンの信条です。

夕日にお辞儀


 
 夕日に向かって
 
 「今日一日、ありがとうございました」
 
 と、深々とお辞儀をする、石。

ゴリラ石


 
 口をへの字に曲げて頬っぺたをポリポリかきながら、ゴリラ石は考えた。
 
 「どうしたらいいんだ。いったい何が悪いんだ」
 
 「おやおや、ずいぶんお悩みのようですね。何をそんなに悩んでいるんですか?」
 
 「子供が懐かなくってね。私の何処が悪いんでしょう」
 
 「それは・・・・・何時もそんなムスッとした怖い顔をしているからじゃありませんか?」
 
 「しかしこれはかえられん。なにしろ、石だからね」

 確かに。

悪の親玉?


 
 「グッフッフ!なにをそんなに怯えてるんだい」

 と、まるでアニメやヒーローものの悪の親玉のような顔をして不敵に笑っています。

 これでは声も出ません。逃げるにも怖くて動けません。

 「心配はいらないよ。食べたりはしないから」

 食べられなくても、どうにかするんでしょ・・・・怖いよ。

 「心配いらないと言ったでしょう。ただ蹴飛ばして倒さないで欲しいと言いたいだけなのだから」

 「なんだそんな事か。いっそのこと、蹴飛ばして倒してしまえば、怖くないかも」

 「オイオイ、止してくれよ」

 と、立場が逆転してしまいました。

黙想する三賢者


 
 彼らは今、人民をどのように導けば良いかを考えている。
 
 静かに、深く黙想する三賢者。
 
 そして、おもむろに口を開いた。
 
 真ん中の賢者は言った。
 「私は剣を以って導くのが良いと思う」
 
 左の賢者は言った。
 「いや、私は和を以って導くのが良いと思う」
 
 少しして、一番右の賢者は言った。
 「いやいや、笑を以って導くのが良いでしょう。フォッフォッフォッ!!」

悲しみを押し殺して


 
 古い友を亡くした石。グッと唇をかみしめ、深い悲しみを押し殺して耐える石。しかし、その目には確かに涙が浮かんでいました。

何処か遠くへ


 
ああ、あの道は何処に行くのだろう
 
小さな車、大きな車、沢山の車を走らせて
 
あの道は何処に行くのだろう
 
私もあの道で何処かへ行きたい
 
何処か遠くへ行ってみたい
 
でも、僕はただ道を眺めるだけ
 
だって、動けないんだも~~ン
 
 
チャンチャン!!
 
 と、言うわけで、石の詩的独り言でした。